「世界のエリートに読み継がれているビジネス書38冊」定番本を紹介 〜丸善丸の内本店 松本直亮氏〜
ビジネス書を読む目的は人によって様々で、どれを手にとっていいのか迷うことも多い。選び方のコツはタイトルや目次、装丁がピンとくるかどうかだ。どこか共感できる部分が見つかれば、課題の解決や自身の成長につながる1冊を見つけられるだろう。
それでも悩んだら、まず「世界のエリートに読み継がれているビジネス書38冊」をお薦めする。ビジネス書の名著で、世界各国のビジネススクールが教科書として使っている本を紹介している。どれも定番となっているものばかりで、これらを集めるだけで書店でのフェアを組めるほどだ。
著者のグローバルタスクフォースは経営学修士(MBA)に関する著書も多く、ピーター・ドラッカーやマイケル・ポーターなど著名経営学者の難解な理論を易しく解説する手腕に定評がある組織だ。
まだ仕事の経験が少ない若手社員には「入社1年目の教科書」を読んでもらいたい。2011年の発売から重版が続いている。ライフネット生命保険の岩瀬大輔社長が会社の仕組みや仕事のペース配分、スーツの選び方まで50の仕事の指針を教えるという体裁で、社会人入門書として完成度は高い。
シンプルに会社や仕事をこういうものだとかみ砕いて教えつつ、押しつけがましさがなく受け入れやすい。新人に限らず、仕事で悩みを抱えている若手社員が原点に立ち返るきっかけとしても活用できる。
スキルアップを目指す人には「世界のトップを10秒で納得させる資料の法則」の人気が高い。孫正義・ソフトバンクグループ社長の元秘書を経て、今は教育事業を手掛ける三木雄信氏の解説は説得力がある。主にプレゼンテーション力を高めたい30代前後のビジネスパーソンが購入している。
書店でビジネス書を探す際は、平積みなど大きく面積を割いている売り場に置いている書籍をのぞいてもらうとよい。売れ行きによって本の扱いは変わってくるので、そこを見れば時代の変化を先取りできる。
(2015/8/11付日本経済新聞 朝刊)
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